コラム執筆者:柔道整復師 新藤 公一
杉並区・阿佐ヶ谷で整体をメインに行う
バランス・ラボ整骨院、代表の新藤公一です。
膝の痛みや変形性膝関節症
などの悩みを抱えて
来院される方々から
よく聞かれる言葉があります。
「診察検査で『年齢的なものです』
と言われました」
確かに
膝関節や体全体は加齢とともに
変化していきます。
しかし
「高齢になれば必ず膝が悪くなる」
「年齢のせいで痛みが出る」
と単純に考えてしまうのは誤解です。
長年
膝の痛みに携わってきた
プロの視点から見ると
年齢的な変化は事実として
存在します。
ただし、診察で「異常なし」
と判断されるケースも多く
必ずしも“年齢=痛みの原因”
とは言えないのです。
年齢とともに起こる身体の変化
水分量の低下
人間の体の約50〜70%は
水分でできています。
年齢を重ねると細胞が水分を
保持する力が低下し
体全体の水分量が減少していきます。
肌のシワや身長の低下も
この「水分率の減少」
と関係しています。
実は骨や軟骨も細胞でできており
同じように水分を失っていくのです
【厚生労働省参照】
膝関節と軟骨に起こる加齢変化
膝関節には「半月板」
と呼ばれる線維軟骨があり
クッションの役割を果たしています。
軟骨の成分の約70〜80%は水分。
その水分が年齢とともに減少することで
軟骨は“すり減る”というより
「体積が小さくなる」傾向を示します。
・線維軟骨:膝の半月板、椎間板などに存在し
強度と柔軟性を併せ持つ
・硝子軟骨:関節の表面を覆う軟骨
・弾性軟骨:耳介などに存在
つまり、膝の痛みは単に「軟骨がなくなる」
からではなく水分低下やバランス不良に
よって生じやすくなるのです
骨と軟骨を理解するヒント ― 樹木の例え
骨や軟骨の水分率を説明するときに
よく使われるのが「木の枝」です。
若い枝は水分が多く、しなやかで折れにくい
高齢の枝は乾燥しており、少しの力で折れやすい
これは骨や軟骨でも同じです。
水分量の低下は骨の脆さや骨粗鬆症とも
関係しています。
ただし、
同じ年齢でも運動習慣がある方は骨密度が高く
骨の健康状態が良いことがわかっています。
「年齢的変化=必ず膝が悪くなる」ではない
確かに
加齢による変化は避けられません。
しかし「年齢を重ねる=必ず膝が痛む」
とは限りません。
若い頃のケガや古傷が
年齢とともに症状
として現れることもある
運動不足や体力低下、生活習慣の乱れが
回復力を低下させる
健康な状態を維持していれば
自然治癒力は十分に働く
つまり、膝の痛みは「年齢」よりも
「生活習慣・体力・バランス」
に大きく左右されるのです。
半月板(軟骨)が小さくなると膝は痛くなる?
臨床経験から言えるのは
膝の半月板が小さくなる
こと自体が痛みの
直接原因ではないケースも
多いということです。
・股関節や足首のアライメントの崩れ
・体のバランス不良
・筋力不足
こうした要因が重なることで膝に
過度な負担がかかり、痛みを引き起こす
ことがあります。
「軟骨がすり減ったから痛い」
という単純な図式ではなく
全身の機能を考えることが重要なのです。
まとめ ― 年齢を理由に諦めないで
膝の痛みや変形性膝関節症は
確かに年齢的な変化が影響する部分はあります。
しかし「年齢だから仕方ない」
と諦める必要はありません。
・適切な運動で骨や軟骨に刺激を与える
・正しい姿勢や生活習慣を整える
・体全体のバランスを意識する
こうした工夫で
膝の健康を守りながら日常生活を快適に
過ごすことができます。
残念ながら、関節に変形が起きてしまった
ケースについては、変形そのものを改善
回復させることは出来ません。
変形性膝関節症での痛みは
筋肉のコンディションを改善
することや骨盤・股関節・足関節の
バランスを整えることで
「痛みが出にくい状態」にすることは
可能です。
出典:NHK https://www.nhk.or.jp/
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/index.html
厚生労働省eJIM https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/index.html
コラム執筆・監修者
株式会社カラダ・リバランス
バランス・ラボ整骨院
代表取締役 新藤 公一
厚生労働大臣認定 柔道整復師
公益社団法人 東京都柔道整復師会 会員
公益社団法人 日本柔道整復師会 会員
経歴:
中野区内整骨院勤務 10年
杉並区内整骨院 分院長勤務 20年
2017年11月に杉並区阿佐谷南に
バランス・ラボ整骨院
バランス・ラボ整体院を開院