コラム執筆者:柔道整復師 新藤 公一
杉並区・阿佐ヶ谷で整体をメインに行う
バランス・ラボ整骨院、代表の新藤公一です。
マッサージ・指圧・整体
リラクゼーションなどで
・余計に痛くなった
・全身が筋肉痛でツラい
・受けたあとにダルくなった
こんな反応を経験した方も一定数
いらっしゃると思います。
痛みやツラさ、肉体の疲労回復を
求めて受けたはずの施術が
結果として、望む反応とは異なる状態
になってしまった!と
思われることもあると思います。
どうして反応が起きるのか?
その理由の解説と対処法を説明します。
目次
揉み返し(もみかえし)とは?
物理療法や手技療法で身体に刺激
を与えたことで発生する筋肉の痛みを
「揉み返し(もみかえし)」
「コリ返し」
と呼んでいることが多いと思います。
運動後に起きる筋肉痛や
長時間入浴したり、1日に何度も入浴
することで起こるような「湯当たり」
に似た状態を言います。
打たせ湯などで
身体に入った刺激量が結果として強すぎた。
多すぎたことによる筋肉の反応と
言っていいと思います。
揉み返しが起こる?その原因とは?
人にはそれぞれ感覚の違い
年齢差・性別差
体力の差が存在しています。
自分は痛みに強い!とおっしゃる方も
いらっしゃいますが
その逆に痛みや刺激に弱い=敏感な方も
いらっしゃいます。
痛みに強いからいいと言うことでも
痛みに弱いからいけないと言う
ことでもありません。
感覚の違いは、個人差も大きく
例えれば、暑いと感じる人とちょうどいいと
感じる人との違いで、夏の暑い日にエアコンの
設定温度で違いが生じる。
感覚的なものは、大きく個人差がでてしまうもの
なので、適量を測るのがとても難しい。
人間の感覚は具体化するのが難しく
暑さ・寒さ・痛さなど、味覚も感覚による
ものなので、わかりやすいかと思います。
定期的に運動を継続している人と
数年ぶりに運動を再開したと言う人では
筋肉に入る運動刺激量は同じであっても
筋肉痛が出る出ないに差が生じることは
よくあることです。
定期的に運動を継続していると
筋肉への負担も少なく、反応も少ない。
筋肉への刺激を長く受けていない場合ですと
反応は大きく出てしまいます。
運動再開時に「最初は少なく」とよく言われる
理由の1つに、運動による筋肉痛の発生を
最小限に留める意味もあります。
物理療法やマッサージ・整体などの
手技療法で身体に与える刺激も
運動で身体に与える刺激も
同様の反応を示すことが多く
揉み返しで起こる反応の多くは筋肉痛。
筋肉痛も広範囲で発生すると
一時的に起こる筋肉の炎症症状なので
体温を上昇させ、熱を発生させてしまう
ケースもあります。
この反応が
いい意味で反応を起こすことで回復力を
高め、回復改善に向かういい刺激となり
良くない意味で反応を起こすと
カラダの体力を奪ってしまい
具合が悪くなったり
筋肉に広範囲の炎症症状から
全身反応として熱を出してしまう
頭痛や吐き気を起こしてしまうケースも
同様の反応です。
注意するべきこと
回復効果を得る為に行う様々な刺激
入浴で得られる温熱効果
運動で得られる運動効果
手技療法・物理療法で得られる
回復効果
様々な効果を効率的に得られるように
するためには、適量があります。
市販薬・処方箋などでも1回で使用する
適量が示されますが
多ければ高い効果を得られるものでは
ありません。
注意するべきポイントを解説します。
強い・多い・長いは逆効果
感覚には個人差が大きいと
申し上げた通りです。
特にマッサージや整体では
早い回復を求めると
「強い刺激」を求めるケースがあります。
どこから来た根拠なのか?
個人的には理解できないのですが
強い=効く
この根拠が存在しているような
印象があります。
強くすることで大きな効果を得て
早い回復を求めることは
誰でも同じだと思います。
残念ながら、強い刺激を与えても
刺激に敏感な体質ではデメリットに
なってしまいます。
運動を再開するケースでも
早く運動効果を得ようと一度に多く
長時間の運動をすると
広範囲に筋肉痛を発生させてしまい
結果として、運動再開を断念するケースを
多く伺ってきました。
早く結果を得たいお気持ちは
理解できますが感覚神経を持つ
人間の身体は思い通りに
反応してくれないのが現実です。
専門家の意見を素直に聞く
近年
パーソナルトレーナーに
運動の専門家の意見を聞きながら
身体の管理をしてもらう
人も増えてきているような印象です。
運動指導に長けている
専門的な立場から
その経験値で、適切なアドバイスが頂ける。
アスリートのような経験は
誰にでもあるものではありませんし
専門的な知識もないので
運動でいい効果を得られるはずが
結果的にケガをしてしまう
そんな可能性もあるので
専門家の意見は大切だと思います。
マッサージや整体のような
手技による施術を行う専門家も
日々、同じような悩みを抱えるケース
を多く対応している。
多種多様なケースでその経験値から
比較できるので、良いアドバイスが出来る
立場でもあるんです。
温める?冷やす?
結論から申し上げると
運動後・マッサージや施術後は
温めない方がカラダにも
優しいと言えます。
状況によって
温める?冷やす?のどちらか?
判斷に迷うケースがあると思います。
以前は全て「温める」ことが
正しいとされていましたが
スポーツ医学の発展から
温める・冷やすの考え方は大きく
変化しています。
マッサージや整体など手技療法は
運動するのと同様の反応を身体に与え
体力を奪います。
入浴=お風呂に入ることも
温めると体力が養えそうな印象が
ありますが、体温以上の温度を身体に
与えるのは温熱刺激となりますので
体力を奪います。
運動、マッサージや整体で身体の
血液循環が良いところに
更に入浴を長時間すると?
血流が更に促進され、身体には
負担になってしまいます。
血管・心臓にも負担を与えることに
なるので注意が必要です。
温泉やサウナとマッサージを
同時に受けることは
相性がいいように思えますが
個人的な意見としては
身体に負担になると思います。
柔軟体操・ストレッチはしない
入浴後や施術後は筋肉も緩み
いつもより、身体の柔軟性が出て
動きやすくなっています。
効果が出ている証なので
1度に多くを求め、運動や柔軟体操
をしてしまうのは
身体が受ける刺激量が適量を超える
可能性があります。
すでに筋肉に強い反応がでている
状態で、柔軟体操やストレッチを行い
筋肉に更に刺激を与えることになる
ことで、揉み返しで反応している
身体には負担を大きくしてしまいます。
できるだけ、揉み返しが起きている
状態では安静が大切になります。
アルコール・飲酒は避ける
運動や施術後は筋肉が緩み
血行が促進されている状態です。
アルコールの摂取で血流を促進
してしまうのは、身体には過酷な
状況を強いる結果になります。
血管や心臓に大きな負担になり
血圧上昇の可能性もありますので
揉み返しが起きている時は
アルコールの摂取は避けてください。
揉み返しが起きた時の対処法
もし、揉み返しや全身の筋肉痛に
見舞われてしまった場合
できるだけ早めに、身体に負担なく
効率的な対処法を解説します。
水を多く摂る
筋肉が大きく反応している状態ですので
できるだけ多くの水を摂取
傷んだ筋肉組織や老廃物をできるだけ
体外への排泄を促すようにします。
お茶やスポーツドリンクよりも
水に多く酸素を含んでいることで
老廃物を効率的に排泄するためには
水の摂取がベストになります。
局部的な熱は冷やす
身体の1部が熱を帯びている状態であれば
最大10分程度のアイシングを行うのも
有効です。1度に長く冷やすのではなく
1度に10分、1時間以上間隔を開けて
冷やすことを繰り返すといいでしょう。
入浴はシャワー程度
お湯の温度を低めに設定して
短めに汗を流す程度の入浴が望ましく
できるだけ身体を温めることは
避ける方がいいでしょう
早めに休む
身体に対処できない大きな刺激が
入って、体力も奪われている状況です。
早めに休養を取っていただく方が
揉み返しも早期に改善されるように
なっていきます。
可能な限り、睡眠をしっかりと
取っていただく方がいいでしょう。
まとめ
人間の感覚はとても判断が難しいもの
自らも判断が難しいことから
「やりすぎてしまう」経験を多く
してしまう。
早めに回復して、いい状態で生活や
仕事に戻りたい気持ちや思い。
とても理解できます。
思いや考え通りに
人間の身体も言うこと
を聞いてくれればいいのですが・・・
身体は正直に反応を出してきます。
人間の思いのように嘘をついたり
誤魔化すことが出来ないんです。
肩や背中を身近な人に触ってもらって
すごく硬いから、ちゃんとしてもらった
方がいいよ?と言われる。
人から「すごく肩が凝ってる」と言われる
などで、自分はすごく硬いんだ?と
認識してしまって・・・
強くたくさんマッサージをしてもらえば
きっと早く楽になる!
そんな考えになることも理解出来ます。
風邪を引いたと・・・
たくさんの風邪薬を飲んでも
早く治る?なんてことはありません。
薬を多く飲むことはとても危険なこと。
しっかりと休養をとらないといけない
ことは重々理解しているものなんですが
つい「どうにかならないか」と
考えてしまいます。
身体は正直に反応を出してきます。
誤魔化しが効かないんです。
最後に
「揉み返し」と聞くと
ネガティブなイメージをつい抱きますが
正確には、これも正しい生体反応で
回復するために必要なカラダの反応の
1つだと捉えていただけると嬉しいです。
例えば
適切な量を超えた薬を飲む・使うと
効果・効能を超えてしまい
返ってダメージを与えてしまう。
これを専門的には
オーバードースともいうのですが
揉み返しも同様で
本来、あるべき体力から回復力を高め
改善に繋げるべき刺激量のレベルを
超えたり、体力が著しく低下している
などの要因で起こってしまうことです。
プロである我々専門家が
日々、人の身体に対応している中で
ある程度、体調や体力を洞察できる
もので、ご本人的には早く良くなりたい
思いから、つい強い刺激や長く施術を
受ければ、効果が得られるだろうと
考えてしまいます。
それが返って、体力を奪ってしまい
回復を遅らせてしまうことも
あると言えるんです。
コラム執筆・監修者
株式会社カラダ・リバランス
バランス・ラボ整骨院
代表取締役 新藤 公一
厚生労働大臣認定 柔道整復師
公益社団法人 東京都柔道整復師会 会員
公益社団法人 日本柔道整復師会 会員
経歴:
1989年 東京都中野区内整骨院勤務
1998年 東京都杉並区内整骨院 分院長勤務
2017年 東京都杉並区阿佐ヶ谷で
バランス・ラボ整骨院 開設
バランス・ラボ整体院 開設
代表取締役
株式会社カラダ・リバランス