コラム執筆者:柔道整復師 新藤 公一
杉並区・阿佐ヶ谷で整体をメインに行う
バランス・ラボ整骨院、代表の新藤公一です。
多くの方からよく質問されるのが
「肩こりは治らない?」
「揉んだりしてたら、クセになるんじゃないですか?」
そういう疑問が多いんでしょう。
個人的な意見にはなりますが…
肩こりを治すと言う意味に違和感を覚えます。
何故か?
治ると言う言葉、治癒とも言いますが病気が治ったときに
使われる言葉で症状は再発する可能性が十分にあります。
理屈っぽく聞こえますが、症状が治癒したとはいいません。
肩こりの状態が良くなる、改善されたと表現するのが
自然な言葉に感じられます。
肩こりに関して「なりにくくするように質の改善」
が正しい考え方に感じます。
肩こりを感じるケースの場合
肩だけがツラくなっているのは一番つらい場所が
肩に現れているからで、首や腕、時に眼を酷使する
ような日々を過ごされていて、肩に緊張が強く
出てしまっている状態と言えるでしょう。
特に眼と首には注目していて
近年、スマホやパソコンなど画面を見続ける
シーンが増えているので、眼精疲労による
首や肩の緊張を起こしているような気がします。
では、どうしたらいいのか?
筋肉の状態、質をいい状態にすると、肩こりを感じさせる筋肉は改善されて
肩こりを感じにくくするようにできます。
肩こりとは?
肩こりがツラく悩んでいる場合
「肩の筋肉が固くなっているから」
そう思いがちです。
固くなっているのは筋肉ですが
固くなっているレベルに個人差があり
「こんなにツライからガチガチだ!」
そう思い込んでしまっている。
実際には、それほど筋肉が固くなって
いない場合も多くあります。
肩こりがツラい=凝り固まってる
ではない。まずはここを知って
頂きたいと思います。
これは人間の持つ「感覚」の違いから
起こるもので、この感覚とは個々に
一貫性がなく個人差も大きくあります。
人間の身体の外から伝わる神経により
暑がり、寒がりや熱い、冷たい
味覚も感覚神経によるものです。
痛みやツラさは個人差のある感覚で
「計測」できないんです。
痛がりなんていうのも、個人の感覚の差
によるものなんですね。
肩がこっているから、肩周辺の筋肉が
すごく固くなってるんだ…
必ずしもそうとは限りません。
同時に肩がツラいから、肩だけに
問題があるんだとも限りません。
肩こりのツラさを再現しているのは
筋肉そのもので筋肉の柔軟性が失われた
状態で肩こりが強く感じられるケースが
多いのも事実です。
一言に肩や肩関節は多くの筋肉で作られる
複雑な場所でもあり、腕を動かす
肩関節と首に繋がる部分も存在します。
肩こりが発生するメカニズム
筋肉の機能は力をいれた時に
「縮む」と動作をする運動のみで
筋肉自ら「伸びる」ことは出来ない。
腕や足は曲げる・伸ばすが出来ますが
肩の場合は腕や足のように曲げ伸ばし
が出来ない構造になっています。
肩関節は別名「自由関節」と呼ばれ
人間の関節の中で自由な方向への
動きを可能にしている関節です。
同時に、その関節の特性上
一番脱臼しやすい関節とも言えます。
肩のストレッチや柔軟体操をすると
言っても、正しいストレッチ方法
柔軟体操が存在しないのも…
この関節の特性によるものなんです。
肩こりが感じやすい「僧帽筋」と
呼ばれる筋肉は肩のみならず
首を支える役目も持っています。
首もストレッチや柔軟体操ができません。
要するに…
縮んだ筋肉を逆方向に伸ばす動作が
ストレッチや柔軟体操の目的。
その「逆方向」に構造的に伸ばせない。
縮んだ筋肉を伸ばすことが難しいんです。
肩こりに良いと言われるのが水泳。
これは水中での無重力下で肩関節を
筋肉に負担かけることなく、動かせる。
膝の関節や重度の腰痛、そして
椎間板ヘルニアの術後にも水泳を用いる
アクアビクスというリハビリの運動療法
として使われるので、効果実証済みです。
重度の肩こりに悩まれる場合には
水泳を定期的に行うのも
セルフケアとしてとても効果があります。
自分が対応する皆さんは
口々に「着替えが面倒なのよね!」と
言っています(笑)
筋肉には「浅層筋」と「深層筋」がある
筋肉には表面に近い浅層筋と
骨近くに存在する深層筋の2種類があり
この浅層筋が主に身体のさまざまな
動き、運動を行い
深層筋は身体の骨格を支える筋肉。
少し前にJリーガーで日本代表の
長友選手がトレーニング方法として
取り入れ有名になった
インナーマッスルトレーニング
この深層筋を鍛える
方法です。
インナーマッスル=深層筋と呼ばれ
別名で「抗重力筋」とも呼ばれます。
要するに重力に抵抗する筋肉を指します。
この深層筋は人間の姿勢に大きく関係
しているので、深層筋の筋力低下で
姿勢が悪くなるケースが多く存在します。
セルフケアでストレッチや柔軟体操を
行い体調を維持することはとても大切。
問題になるのが、慢性的に肩こりとなり
状態の悪化が浅層筋から深層筋まで
及んでしまうケースがあります。
一言に「コリ」と言っても
筋肉の間には血管や神経の通る経路が
あり、筋肉の柔軟性が失われ固くなると
その経路が圧迫され、筋肉の状態を
悪くしてしまうケース。
これはセルフケアでは固くなりすぎて
動かす際に筋肉が痛くて伸ばせない…
なんてことも起こり得るんです。
自分で肩こりを改善できる方法とは?
肩こりをセルフケアで解決したい!
その答えは…
「運動しましょう」となります。
運動することが身体に良い
健康に良いことは理解されていますね。
世の中には、溢れるほどいい情報が
手に入るいい時代になりました。
ストレッチやヨガ、ピラティスなど
YouTubeでも多くの動画があります。
意識の高い方はそうした動画で
セルフケアを実践されるでしょう。
全ての人がそうしたことを実践
できるわけではありません。
日常的に忙しい方ほど
こうした肩こり、眼精疲労、頭痛などに
悩まされているので
「そんな時間ないよ」となってしまい
ジレンマですよね。
わかっているけど、出来ない…。
自分で出来ないのなら、他の人の力を
借りて実践する。
〇〇〇〇ストレッチと呼ばれる
ストレッチをやってくれるサービスも
人気で多くの店舗を見かけます。
個人的には素晴らしいサービスだと
思っています。
自分では解決できない問題や悩みを
他の人の力を借りる考え方は
運動嫌いの自分では大賛成です。
肩こりを簡単に考えない
これまで多くの方の対応をさせて頂き
実感するのは、意外と肩こりを簡単に考え
ツラい時だけ解消する。
解消するのはまだいいんですが…
単なる肩こりでしょ?そのうち良くなる。
本当に良くなったんでしょうか?
そのツラい状態は、徐々に大きくなって
きたりしないでしょうか。
いつもの肩こりだと思ってても
時に予期しない不調に陥ることもあります。
過去に…
肩こりと頭痛を長期間我慢していた方。
頭痛からめまい、時に耳鳴りやのぼせる
光が極端に眩しく感じるようになり
首から肩への強い筋肉の緊張、頭痛と吐き気
倦怠感を伴う状態。
心配になり診察に行くと…
一晩真っ暗な部屋に入院となってしまった。
自分の予想では、脳脊髄炎の可能性があると
判断されたんでしょう。
幸い、検査では陰性だったので無事に
一泊二日の入院でこちらに来ていただいた。
単なる肩こりの我慢をしすぎたね?と
笑い話で済まされましたが
不調と不安での時間を過ごされたと思います。
出典:厚生労働省ホームページ (当該ページのURL)
最後に1つだけ言いたいことは
肩こりを軽く見ないでほしいということです。
体調不良で我慢して過ごす意味もありませんし
身内や家族に心配と負担をかけてしまう。
お一人で生活される方は、とっさの時に
連絡しなければ1人ではどうにも出来ない
場合もあります。
軽く済んだとしても、多くの方に迷惑をかける
自分にも大きな負担になる。
そういうのは嫌ですもんね。
コラム執筆・監修者
株式会社カラダ・リバランス
バランス・ラボ整骨院
代表取締役 新藤 公一
厚生労働大臣認定 柔道整復師
公益社団法人 東京都柔道整復師会 会員
公益社団法人 日本柔道整復師会 会員
経歴:
中野区内整骨院勤務 10年
杉並区内整骨院 分院長勤務 20年
2017年11月に杉並区阿佐谷南に
バランス・ラボ整骨院
バランス・ラボ整体院を開院